議会活動
平成24年 質問・答弁
- 質問内容(1)
- おはようございます。新政会の波多正文でございます。
第20回平成24年9月定例会におきまして、一般質問の機会を与えていただきましたことをお礼申し上げます。
質問に当たりましては、市長並びに理事者の皆様には意のあるところをお酌み取りいただき、あわせて明確な御答弁をお願いいたします。
先輩並びに同僚の議員の皆様には、御清聴のほどよろしくお願いいたします。
尼崎市は、健全な財政運営を図るべく、平成15年に経営再建プログラムを策定し、その後も継続的に計画を策定する中で、本年、平成24年度は行財政構造改革推進プランの最終年度でありますが、目標とする収支均衡にはまだまだです。今、平成25年度からの新たな計画づくりに取り組んでいますが、率直に言って、尼崎市は依然として厳しい財政状況が続き、一向に収支均衡に近づかない中でどんな計画が出てくるのか、期待というよりも不安が大きいのです。
一方、経済情勢などは、阪神工業地帯の中心的な役割をしていた企業が産業構造の転換と公害問題、それに伴う工場三法などにより移転退出し、働く場と就労人口が減少してしまいました。そのため、法人市民税が大幅に減少し、また競艇事業収入はピークの146億円のときから比べると約3%になってしまいました。将来的にも改善は望みにくい状況だと思います。さらにバブル経済崩壊、そして景気が徐々に上向きになり始めたときリーマンショックで、世界同時不況により、尼崎市も税収において大きな影響を受けることになりました。
総括的に申し上げますと、繰り返しになりますが、現在の状況は変化の厳しい中であって尼崎市の財政力は外的な状況に大きく影響を受け、就業場所が減少し、それに拍車をかける少子高齢化、若者の市外転出が相まって、一層厳しくなっているのが現状であります。
そこでお尋ねいたします。
尼崎市の財政状況は、長年努力している財政改革の取り組みにもかかわらず、収支均衡どころか実質的には赤字予算を組み続けているのが現状であります。来年もそうでしょう。行財政改革は、特別な時期ではなく、時は常に変化流動しておりますので行っていかなければならないのですが、改革をしながら、いつになったら実質収支均衡の予算が組めるのか、将来的な見通しをお伺いいたします。
また、幾ら行財政改革をしてもなかなか目標が見えてこないのは、少子高齢化という問題の重さのほかに何か大きな解消をしなければならない課題があると考えるのでしょうか。市長の忌憚のない御答弁をお願いいたします。
次に、行財政構造改革の指標についてお尋ねいたします。
これまで人件費削減、マイナスシーリング、使用料値上げ、統廃合等と多くの取り組みをされてきましたが、もっと根本的なことを行わなければ、永遠に収支均衡は希望だけであって実現ができないのではないかと思います。行政の個々の実施事業は、将来の尼崎にとって最善策かどうか真剣に考え、正しく実行することが大切で、またそうした人が真に尼崎を愛している行政者じゃないでしょうか。
視点を変え具体的に申しますと、尼崎にある市営住宅は1万857戸、近隣都市の西宮市は9,791戸、伊丹市は1,933戸、芦屋市は1,697戸、川西市は1,089戸、類似都市の和歌山市は6,792戸、姫路市は6,404戸、大分市は5,355戸、高知市は4,992戸、富山市は4,673戸と、比較すると断然多く尼崎市は戸数を抱えています。他の県営住宅等を加えますとさらに多くなります。戦後の国の施策によって行われている住宅行政ですが、尼崎の将来、持続可能な元気で活力あるまちにするためにはどのような世代構成と活力をイメージしているのでしょうか。
そこでお尋ねいたします。
他都市と比較しても極めて多くの公営住宅を抱える理由はあるのでしょうか。限りある予算の使い方からどのようにお考えなのでしょうか。現状で納得できる理由をお聞かせください。
活力ある尼崎を目指すため、早急に必要、適正な戸数に公営住宅を削減する約束をしていただけるのかどうかをお答えください。
また、このほか削減につきましては、本当に多くの課題があります。それにつきまして、また機会に恵まれましたら問いたいと思います。
次に、活力が沸いてくる尼崎に転換する方向へとシフトする改革が必要と考えます。言いかえると、行革で捻出できた原資をすべて市債の償還に充当するのではなく、生産工業のリニューアルの場所を確保して、工場のリニューアル地を市外にと転出しないようにできれば、市外から尼崎に商業地を求めて転入する場所を常に用意しておくことも元気・活力を生み出すためには必要であります。西宮市は準備して、臨海部に新しく工場を転入させることに成功した都市だと思います。
そこでお尋ねいたします。
今提示しましたのは一つの例ですが、尼崎の現況の施策事業につきましては、活力を生み出す準備について手ぬるいというか、積極的に取り組もうとしない、または、活力ある尼崎を引き寄せる気がないように思います。産業立地についてどのような目標を考えておられるのかをお聞かせください。
また、先ほど申しました公営住宅の削減につきましても、活力あるまちを形成していく目標値や実現過程を示さないのは重荷を背負わないことと同じで、日々の行政活動の信頼が薄れます。産業施策における活力あるまちづくりに向けた目標と取り組む過程等があればお聞かせください。
次に、産業都市尼崎復権についてお聞かせください。東大阪市は、我が国でも有数な中小企業事業所が旺盛に活躍する自治体であります。産業の活性は、市民生活を豊かにするものであります。産業はまちづくりの源であります。
ところで、尼崎の重工業は国策として、明治以降、臨海部に誘致され、下請の中小企業が多く事業を行っていましたが、現在は申しましたように、人口も事業所も減少し、活力も最盛期より減退いたしました。尼崎も同様です。しかし、西宮市が工場制限法のない臨海部に新しい操業地を創出し、活力を誘導し、今や尼崎市より先に中核都市の仲間入りをしています。行政はただ単に現状維持だけでなく、将来のまちのイメージと活力を生み出す方向へのかじ取りへの施策の決断が必要であります。そのまちづくりにつきましては、人づくりとものづくりが大切であります。
ではまず、ものづくりについてお聞きしてまいります。
尼崎のものづくりは、企業の下請事業所が大多数で、類似する事業所の多い東大阪市とは、ものづくりの体質が異なります。江戸時代から地元産業が発生し、その技術を生かし産業の盛衰と業種・業態の転換、変遷し、技術の発展、継承して今がある東大阪市と、国策として企業の定着と下請事業所の広がりがあった尼崎では、産業活動の体質が異なります。しかし、尼崎の産業を東大阪市のように中小企業が自立した技術力で企業とものづくりを争う力強いものづくりへと転換することはできないのでしょうか。
尼崎出身で事業に成功した人がおられます。その人が成功したのは、下請の仕事は言い値しかもらえない、新しい機械を入れよう、技術を磨こうとしても時間の余裕がない、同様な作業の繰り返しでよい発想が出てこない、人がつくれない、そして宣伝しなくても注文ができるものをつくりたい、そうした思いを努力して実現し、成功事業所が生まれていったそうです。
東大阪市のものづくり支援事業は、自社製品を製造する企業は約3割に上り、高品質な製品の製造を行っているそうです。
そこでお尋ねいたします。
以前にも質問いたしましたが、経営者としての情熱をもって意欲的に進めていって大きく成功した人の人となりの話を、生の話を聞ける講座を事業に取り入れるとか、経営者として必ずしておくことが役に立つ基本セミナーや特許を取ることを知っておく必要がある方法の研修等があります。
また、東大阪市ブランドはえりすぐりのメイドイン東大阪としてナンバーワン製品、オンリーワン製品、プラスアルファ製品と細かく3区分され、129製品が認定されております。
尼崎のものづくり事業は、何か漠然とした取り組みです。事業者や経営者には必要な基礎を習得できるセミナーをさらにきめ細かく、そして熱意と意欲で自社ブランドをつくり上げた事業者の生の声を聞く意識開発の事業を実施することが、ものづくりを飛躍的に関心を深める事業と考えます。市当局として、尼崎事業者に対して正しく意識啓発しているのでしょうか、お考えをお聞かせください。
もう少し事業内容の深さについてお尋ねいたします。今回は、東大阪のものづくり支援策にあわせてお聞きしていますが、両市の体質が異なると言われればそれまでですが、あえて少しでも近づくため、よいことは取り入れようと思って続けます。
モノづくり支援事業につきましては、メーンの事業はモノづくり相談窓口で、他に情報提供など活用メニューが5事業、高付加価値化メニューが5事業、販路開拓拡大メニューが4事業となっており、メニューの多さと内容の深さがさすがと思いました。
特に、モノづくり相談窓口であります。内容は、一つ、受発注先探し、国内・海外への販路開拓、展開の相談。一つ、新製品の開発や改良、トラブル原因解明と技術に関する相談。一つ、市内企業のニーズに応じた公的施策の紹介の内容であり、7人のコーディネートマネジャーを相談員として、経歴は大手商社、メーカー、海外駐在者4人、技術指導者3人という強力なコーディネーターであります。会社訪問、相談にも応じるという、事業者にとっては一番聞きたいこと、悩んでいる答えが簡単にそして的確に教えてもらえるという、ものづくりする者に対する気持ちを酌み取った支援策になります。
そこでお尋ねいたします。
今紹介いたしました東大阪市のモノづくり相談窓口についてどのように考えておられますか、また、尼崎でもそれに近づけていくように事業をされる考えはないでしょうか、お答えください。
次に、次世代の育成についてお尋ねいたします。
東大阪市では、小学校を対象として地域の民間企業者を講師として、次世代を担う子供たちにものづくりの啓発を目的に、ものづくり体験教室として10種類の体験教室が実施されています。
児童・生徒のときに実体験をすることは大きくなって生きる力を養い、またヒント、関心を広げていけるきずなにもなります。工作や理科、そして大人としての仕事をかいま見ることにもなり、ひいては、つくり上げることについての大切さを育成するよい教育になると思います。
そこでお尋ねいたします。
日本は今、世界で製品の販売で負けていると言われていますが、技術は確かだからとして日本製品を買う人の意見は根強くあります。技術国日本を継承していくためにも、産業都市尼崎を失わないためにも、次世代育成は重要であります。尼崎でもものづくりの教室を実施しているようでありますが、さらなる次世代育成のため、当局のお考えをお聞かせください。
これで第1問を終わります。(拍手)
- 答弁要項
-
◎企画財政局長(吹野順次君)
まず、いつになったら実質的収支均衡の予算が組めるのかとのお尋ねでございます。
これまで経営再建プログラム、行財政構造改革推進プランに基づき、さまざまな改革改善を実施してまいりましたが、今後も多額の収支不足が見込まれる状況となっております。そのため、現在、特別委員会で御議論いただく中で、次期行財政改革に係る計画の策定に取り組んでおりますが、その総論案では、次期計画期間の中期目標において実質的な収支均衡を確保する、すなわち財源対策を講じることなく収支が見合った状態を達成することといたしております。その目標年次につきましては、収支見通しを作成した上で、改革改善の取り組みや都市の体質転換に向けた取組等あわせて検討しておりますので、そうした具体的な取り組み方策をあわせ含めまして、できるだけ早期にお示しをしてまいりたいと考えております。
次に、幾ら行財政改革をしてもなかなか目標が見えてこないのは、少子高齢化等という問題のほかに何か大きな課題があるからではないかとのお尋ねでございます。
これまで行財政改革に係る各種取り組みを推進してきたにもかかわらず、なお多額の収支不足が見込まれる要因には、少子高齢化に伴う現役世代の減少、扶助費等の増のほか、今後ピークを迎えることが見込まれる公債費や土地開発公社経営健全化に係る公共用地先行取得事業費会計の繰出金といった過去の負債処理に要する経費が課題として挙げられ、財政状況が逼迫しております。
したがいまして、過去の行財政運営の教訓を踏まえまして、次期行財政改革に係る計画の総論案におきましては、都市の体質転換や改革改善の取り組みとあわせまして、将来の負担を見据えた行財政運営の必要性について言及しており、今後、各論の中で新たな財政規律の考え方をお示ししてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎都市整備局長(衣笠年晴君)
他都市と比較して、極めて多くの公営住宅を抱える理由はあるのか、また今後、適正な戸数に削減する考えはあるのかというお尋ねでございます。
本市は、公営住宅のほか、改良住宅や震災復興住宅等を多数建設してきた経過によりまして、他都市に比べて多くの市営住宅を抱えてきております。
現在、本市の市営住宅の空き家募集につきましては、依然として高い応募状況にございますが、民間住宅の動向を含めますと、市内の住宅供給は量的には充足している状況にあるものと考えております。そのため、将来にわたる管理戸数のあり方については、老朽化した市営住宅の長期にわたる建てかえ事業を進める中で、将来的な社会経済情勢や民間住宅の空き家状況に加えまして、本市の財政状況等についても十分に考慮しながら検討していく必要があるものと考えております。
新たな住宅マスタープランでは、今後10年間の住宅施策のあり方を示しているところでありますが、当面、老朽化した市営時友、西昆陽、宮ノ北住宅の建てかえ事業を進める中で、入居者の建てかえ後の住まいの確保にも十分配慮した上で、管理戸数の漸減を図ってまいりたいというふうに考えております。
以上です。
◎経済環境局長(森山敏夫君)
それでは産業ものづくりに係ります一連の御質問にお答えいたします。
まず、産業立地についてどのような目標を考えているのかとのお尋ねでございます。
ものづくり産業都市として、我が国の経済成長に大きく貢献してきました本市は、高度な技術を有する重層的、複合的な産業集積、さまざまな研究施設、利便性の高い交通網などの優位性を有しております。しかしながら、今日、経済活動のグローバル化に伴う外国企業との競争力の劣化や国内の社会構造の変化により厳しい環境にあり、企業立地につきましては、ものづくり産業の競争力を高めていくことが重要であると認識しております。
今後、既存の工業用地の利活用に加え、フェニックス事業用地の分譲も見込まれますことから、本市の立地優位性の情報発信や事業所の設備投資の促進など、新たな総合計画の中にも示しております環境エネルギー分野を初めとした成長分野の立地と、これまで蓄積された企業活力を生かした地域産業の事業構造化に積極的に取り組んでまいります。
次に、産業施策における活力あるまちづくりに向けた目標と取り組む過程等はあるのかとの御質問でございます。
新たな総合計画におきましては、産業と環境が共生できるようものづくりの産業の技術開発支援や操業環境の維持・保全に務めますとともに市民生活を支える商業活動の支援等を進め、人、資金、情報が活発に行きかう地域経済の活性化に取り組むこととしております。
こうした取り組みにより、工業では、市内製造業、製造品出荷額の維持、増加、また商業では、市内で便利で魅力的な買い物ができたという市民の割合の増加をそれぞれ目指してまいります。
その実現のため5つの柱として、ものづくり産業の競争率強化に向けた支援、ものづくり産業の集積の形成、維持、保全と活性化、環境と産業の共生による地域経済の活性化、次世代のものづくり産業を担う人材の育成、地域社会を支える事業活動の支援と、それぞれに取り組んでまいります。
次に、ものづくりへの関心を飛躍的に深めるため事業者の生の声を聞く事業を実施するなど、尼崎の事業者に対して正しく意識啓発をしているのかとの御質問でございます。
本市におきましては、企業の創業から取引成立までの一連の経済活動のうち、人材育成、技術開発、販路拡大の各段階において、必要な支援策を構築、実施しており、これまでも商工会議所や地域産業活性化機構等と連携し、創業家の育成講座や知的財産セミナーを含む各種セミナーを開催し、また尼崎ブランドの情報発信に向け、デザイン性の優れた製品を尼崎ものづくりグッドデザイン賞として認定するなどPRに努めてまいりました。
御指摘の事業者の生の声を聞くことにつきましては、企業が事業展開を考える上で、また本市が事業を考える上で重要でありますことから、今後も経営者による講演機会や事業者のニーズに応じたセミナーを設けることにより、事業者の意識啓発に努めてまいります。
次に、東大阪市のモノづくりの相談窓口においての考え方はどうか、また本市における事業実施の考え方はどうかとの御質問でございます。
本市におきましても、東大阪市と同様の考えに基づき、平成13年からものづくり支援センターにおいて相談事業を実施しております。このセンターでは、大手企業の研究部門の経験を持つ相談員8名と技術アドバイザー6名が各種相談に対応しているほか、要請がございますれば企業にアドバイザーを派遣し直接的な技術指導も行っております。このセンターの特徴といたしましては、加工分析機器や豊富な経験を持つ技術人材を生かし、試作品開発、トラブル原因調査、受託試験などの技術的な相談に対応し、解決できる強みを有していることが挙げられます。このように、ものづくり支援センターにおきましては、窓口での各種ものづくり相談を初め、年間3,000件を超える技術支援を行っております。
いずれにいたしましても、議員御指摘のように、ものづくり相談窓口は重要な施策でありますので、引き続きものづくり支援センターを中心に企業の支援ニーズに的確に対応してまいります。
最後に、技術国日本を継承し、産業都市尼崎を失わないためにも次世代育成は重要であり、尼崎でも、ものづくり教室を実施しているようではあるが、さらなる次世代育成の考え方はどうかとの御質問でございます。
議員御指摘のように、ものづくり技術の伝承、後継者の育成は、ものづくりのまちとして持続的に発展していくためには大変重要な課題であると認識しております。こうしたことから、子供のころから職業観やものづくりの大切さ楽しさを身につけることが大切であるため、ものづくり支援センターにおきまして、市と協力のもと、小・中学生を対象に夏休みを利用したものづくり体験教室を毎年実施しております。また、小学生が地元ものづくり産業への理解を深めるため、市内企業の方に学校への出前講座を実施していただくとともに、小学生には、工場での現場体験をしていただく次世代育成事業にも取り組んでいるところでございます。
さらに、今年度からは新たな取り組みといたしまして、産業技術短期大学の御協力のもと、小・中・高等学校の教員を対象といたしますものづくり体験研修会を実施し、学校現場に活用できるような研修会も実施しております。
今後におきましても、より一層充実した次世代育成となりますよう、市内企業に働きかけを行いますとともに、産業界及び地域社会が一体となった取り組みを進めてまいります。
以上でございます。
- 質問要項(2)
- ただいま1問目の答弁をいただきましたけれども、財政につきましてはできるだけ時期を限ってということですけれども、時期というのは、行政が考える時期がいつなのかはっきりしておりましたら言っていただきたいなというふうに思います。
次に、都市整備局につきましては、建てかえをする中で考えていくということですけれども、これ反対で戸数を考えて建てかえるなら、西宮市は今お金ないので建てかえませんというような、私に答えられたんですけれども、お金があるんですね、尼崎はということですから、建てかえずにリニューアルするとか、またエレベーターのないところはエレベーターをつけるとかいうような方策もありますので、先に建てかえてから戸数を考えるということについては、何ら将来の世代構成も全然考えていないというような答えになりますので、改めてそこのところをどうして後から戸数を考えるのか、その理由をちょっとお聞かせください。
そして次に、産業政策ですけれども、デザイン賞なんかもつくっていると。つくっているんじゃなくて、デザインはこんなんでいいでしょうかというふうに相談したときに適切なアドバイスができる、そういう人を専門家としてくださいということなんです。デザイン賞をつくるというのは、それなりのデザイン賞一番いいのになると思いますけれども、これでは売れませんよとか、これでは海外に行ってだめですよというようなことについて、やはり海外経験者はおられるという、東大阪市では販路についても考える。また、海外についてどういう製品の事情かということも知っておられますので、本気に考えているんかなというようなことも、まだまだちょっと考えがぬるいんじゃないかなというふうに思いますので、もっと積極的に取り組んでいただきたいなと思います。
次に、2問目に入ります。
尼崎の活性化は将来の尼崎を背負い、活力あるまちの創出に努力する次世代の若者を育成することであり、そうした若者を育成することが尼崎に課せられた大切な仕事であります。まず、ほとんど決まってしまっています市立定時制高等学校ですが、疑問の点を数点お聞きさせていただきます。
県立尼崎病院が産業高校の跡地に来ることが明確に決まったのはいつでしょうか。
次に、市立定時制工業高校が城内高校に移転することが決定しましたのはいつだったんでしょうか、お聞かせください。
次に、県立神崎工業高等学校があるのに、そこへ統合せずに、城内に普通科以外の系統として拡大解釈し編成した適切な説明をお願いいたします。
平成23年度予算中に、校舎整備費としてアルナ工機にすぐ定時制の体育館と庄下川を渡る橋をかける約束をしたのは予算書ができる前ですが、いつそのような約束をしたのでしょうか。そして、なぜ予算書に正しい説明書きをしなかったのか、正直にお答えください。
平成22年4月の定時制高校の答申を見ますと問題点の議論は余りなく、結論ありきのような会長の発言が目立ちます。教育委員会は、城内に歴史博物館を取りやめ、定時制高校の集約移転する一番の理由が、利便性がよい、教育環境がすぐれているというふうに申しています。環境については、今まで定時制高校は裏門を正門のようにして教員がたばこを吸い、そこでポイ捨てを行っておりました。こうした教員の行動に対して、これから環境を悪くしないということについてどのように対応されるのかお答えください。
今後は、いろいろな定時制高校の教育内容についても関心を持っていきたいと思います。
次に、小・中学校の公教育における大人を育てる教育についてお尋ねいたします。
まず、釜石の奇跡として、小・中学生が災害からみずからの命を守った事例は、皆さんの記憶に新しいことだと思います。子供が生き抜く力と人生の姿勢に対する大切な日々の教育があったからこそ可能にしたのだと思います。
群馬大学広域首都圏防災研究センター長の片田敏孝教授のお話では、三陸海岸は以前から大津波の被害を受け、時がたち忘れ去られていく中、2004年から大人対象の防災講習では同じ顔ぶれでは意味がないとして、小・中学生を中心とした防災教育に切りかえました。その中身は、モットーとして、大いなる自然の恵みに畏敬の念を持ち、行政にゆだねることなくみずからの命を守ることの主体的たれとして、具体的な行動原則として避難の三原則、一つ、想定にとらわれるな、一つ、最善を尽くせ、一つ、率先して避難者たれといった内容を、現在ある浸水想定区域のスライドを見ながら、また過去最大の災害を受けた場合も一つ一つ示しながら、どのように災害から身を守り、最善の避難をするようにという臨場感あふれる教育を行い、小・中学生はすべて避難できたそうです。
そこでお尋ねいたします。
尼崎の義務教育において、釜石市のような命は自分で守る防災教育をしてはどうでしょうか。
災害のとき、大人たちの誘導で避難できるのは一部の人たちで、大部分の人は「大丈夫、まさか」と思い、または大切なものを忘れたとして戻り、帰らぬ人となった方も多くいたと聞いております。子供たちが自分の力で避難し、それを見た多くの人々が、また一生懸命避難して助かると思います。
尼崎の義務教育にも、自分の命は自分で守る防災教育と実際の避難行動を取り組むお考えはないでしょうか。お答えください。
次に、義務教育での人間教育についてお伺いいたします。昔は修身、今そんな古いことをと思われるかもしれませんが、教育が小・中・高、専門、短大、大学等の段階になっているのは、大人に育てていくことにあながち古いという言葉ではないと思います。小・中・大と3つに分けますと、小学校では修身、自分のことは自分でできるようにするという。中では、どのようにして大人に近づいていくか。大では、大人は何をしないといけないか。このことが人を育てていく中で基本として流れていて、そのことはどんな時代が変遷推移してもかわりません。
その意味で、学校教育では学習に先立って低学年ではだれもが身につけておかねばならない掃除、あいさつ、学習のことも含めて、身の回りを整える、それらを学習の中で先生が言いながら身につけさせていく。個人差はありますが、中段階では、どのような大人になっていこうかということの試行錯誤、そのためにどう努力するか、大人は何をして大人と言えるかなどを学習の中でも取り入れながら話をしていく。しかし、努力しても必ず結果が伴うとは限りませんけれども、結果を得た人は必ず努力をした人だけであります。そういう意味で、常に教育の中に大切なことを、学習だけでなくて人として育てていくということも常に先生方は話していただきたいなというふうに思っております。
このように人が育つ方向を明確にして目標を示し、重荷を背負って越えていくことが、自然と生きる力が備わってくると思います。ただ単に生きる力を育てているというようなことじゃなくて、授業の中でそうした人間としての基本の流れを伝えていく中で学習をしていただきたいなと思います。
議員になって初期のころ、尼崎公教育の学力向上を願って必死になって訴えたとき、そのときの答弁は「学校教育は学力だけじゃありません」との私の質問に真正面から向いた答えではありませんでした。以前は、その程度の答弁は質問のせいかなというふうに思いましたが、今考えれば、教育委員会がそんな体質かなというふうに思います。
学校教育が全人教育をし続けているなら、不登校が400人を超えるということはないと思います。課題が生じてからそれに対処すべく取り組むより、課題が生じないように人の生きる力を身につける教育を積極的に行わず、また授業を行う中でも常に口に出していなく、実体験でも伝えないからだと思うのであります。
そこでお尋ねいたします。
人の基本を教えるのは家庭であることは言うまでもありません。しかし、学校においての学ぶことの基本、なぜ学ばなければならないか、学ぶことを教えるのは、学校教育の仕事であります。責任でもあります。全人教育をしているなら、学校教育においても、それぞれ小学校の低・中・高の段階、中学校の入学やまた卒業年次において、どのように教えられたかお答えください。
私は、人の成長を木に例えますと、おいしい実を得るためには根っこを正しく育てないとよい実はなりません。収穫は手間と時間がかかります。そして、木が成長すれば、余分な木をはつったり雑草をとったり、適切な処置に水と養分と光が必要であります。人も大人になるには適切なアドバイスが必要であり、学科を学習するためにも、また適切に成長するためにも、日々必要と思います。そして、生徒一人一人に対して適切なアドバイスを行うには、生徒を適切に把握しなければなりません。今現在、義務教育における先生の生徒に対する把握はどのようにして行っているのですか、お答えください。
今まで人間の内部を踏まえた学習指導のことを述べましたが、次に個人個人の学習意欲についてのお尋ねをいたします。なぜ、学習しなければならないかは簡単に言えば、一生、日々成長というふうに思います。その学習意欲に火をつけるにはどうするのか。先生が情熱と努力に生きることが生徒に火をつけると思います。子供の素直な心に火をつけ、緊張と弛緩の中で自立性を育てることだと思います。それを突き詰めると潜在能力が引き出されるということであります。
自分自身がどうであったかはお粗末なものだと思いますが、古来、多くの人たちが人生の目標やいろんな困難を越えていく意欲が生まれたときの心の動きを教育の材料として、教育委員会では多数ストックしているのかどうかお聞かせください。
先生方は、雑用が多過ぎて適切な生徒への学習育成の寄り添いができないとよく聞きます。生徒育成と学習意欲における基本的な指導資料を必要とせず、準備することが大切でありますが、ストッックしているのであるかどうか、どのように活用しているのかお答え願います。
最後に、学力向上についてお聞きいたします。
平成16年度から学力・生活実態調査が行われるようになり、本市は全国平均よりかなり低く、生活実態とともに学力向上、それはとりもなおさず基礎学力の定着が緊急重要課題であることが認識されました。
私が取り上げた福岡の芦屋町や東京の杉並区の教育の取り組みは、児童・生徒の学力カルテを作成し、的確に指導し、生きていく力をつけることが教師の責務であり、子供たちが学習に意欲を失い、若くして挫折、あきらめ、放棄している子供を見ると、いても立ってもおられないというふうに言われた当時の教育者の像を示しましたが、その取り組みについて、また尼崎ではどのようなことかをお尋ねします。
尼崎は同様の施策ではなかったのですか。曲がりなりにも具体的な種々の事業を実施して行われました。平成19年9月から、ぐんぐん伸びる個別ドリルシステム、またそろばん教室が行われております。基礎学力の定着化を進め、さらに全体の学力をもっと積み上げ努力して、学校全体が目に見えて向上した学校もありました。これも学校が一丸となって可能となったことを教えてもらいました。校長先生が先頭に立って、学校全体の学力向上に取り組むことについての合意までが大変だったそうです。
平成16年から学力・生活実態調査。その翌年の平成17年から学校一丸となって取り組み、何と20項目の取り組みが実施されました。少し申し上げますと、始業時間前の予鈴、職員会議の短縮、担任朝学習の在室、学力定着推進委員会の設置、生徒個人カルテの導入、家庭学習がんばりノートでの家庭学習の定着、振り返りテスト、保護者・児童・担任の三者懇談等、学校が責任を持って学力向上へ一丸となって取り組む意欲が伝わってまいります。その先生の熱意が児童・生徒にも伝わり、相乗効果によって、よりたくさんの影響がよりよい結果を生んだと思います。
全国的にもゆとり教育の弊害を克服しようと、多くの市が学力向上事業に取り組んでおります。
千葉県の野田市も学力向上の事業に積極的に取り組んでいます。サタデースクール、オープンサタデークラブ、キャリアガイダンス、算数・理科の副教材作成、改訂と活用等があり、特に将来の職業への導きとしての技能熟練者を招いて経験談を聞く授業や、苦手な算数・理科の副読本を先生方が作成して授業をおもしろくするよい授業があります。しかし、土曜のサタデースクールは、大学等とタイアップして土曜の午前中の2時間、希望者に指導学習を年間20の小学校で1,000万円の予算になるそうです。このように学校の先生を離れて学習の指導を受けるのもよいですが、一番よいのは先生方が授業を生かして学力向上に積極的に取り組むことが、経費も削減しますし、子供たちの意欲も相乗効果が生まれてくるんじゃないかと思います。
そこでお尋ねいたします。
尼崎が今取り組んでいます、学力向上クリエイト事業について、学力・生活実態調査の結果について、学校一丸となって20もの項目事業をして結果を上げている学校があります。当時の教育委員長は、教員が一丸となって、子供と徹底的に向き合う教師集団、学校と家庭の信頼関係をさらによいものに築いていける、学校現場とともに全力で取り組んでいくと述べられています。
一方、教育現場をよく知っている教育長は、多様な方策を各学校の実情に応じて実施し、情熱を持って子供に向き合って取り組むよう指導してまいりますと、教育委員長に比べ教育長はトーンダウンする答弁でありました。
学校現場に対する取り組み姿勢は、教育委員会の内部での思い、意見が違うのでしょうか、お伺いいたします。
また、学力を向上させることの努力について、何か現場に妨げる正しい意見があればお聞かせ願いたいと思います。
子供たちが学習に意欲を失う、若くして挫折、あきらめ、放棄している子供を見ると、いても立ってもおられないという言葉と情熱は、改めてすばらしいなというふうに思います。
では、尼崎義務教育の各学校の体制が一団となって取り組むことが義務教育を受けるものの平等性と思いますが、教育委員会は、各学校の責務として取り組まないのはどうしてですか。わかりやすく御説明ください。また、取り組むなら、いつから取り組むか準備段階まで踏まえてお答えください。
最後に、個人学習カルテについてお尋ねいたします。
教育はカリキュラムに沿って進められ問題集はどれだけ理解しているかのチェックと応用力であります。そのようにして理解度が深まっていくものであります。今、学力の向上を目指すにしても、何が理解でき、何ができていないかが理解できていなく、高学年になってからのつまずきは、以前習ったところが理解できていないからというようなこともあります。そうした理解の明文化が個人カルテであります。個人カルテに取り組むと、その内容が一目瞭然であり、学年が変わっても、指導者が変わっても、適切に対応が可能であります。また、指導上の問題提起も即座に選べます。そして弱点、克服が容易にできるようになります。常に、チェックは成績の材料にも最適であります。特に中学校になると学科ごとに先生が異なるので、より必要なものとなります。
そこでお尋ねいたします。
果実を得るためには根っこをしっかり育てなければなりません。しっかり育っているかどうかを見きわめるためにも、手当てをするためにも、個人学力カルテは必要品であります。
ことしから指導要録の電子化が始まっていると聞いています。教育関係者に聞きますと、電子化なら個人学力カルテはできると思います。ぜひ適切な指導のためにも必需品ですから、決断をお願いいたします。
尼崎の将来を支える人を育てるためにも英断をお願いします。お考えをお聞かせください。
以上をもって私の全質問を終わります。
皆さん長い間御清聴ありがとうございました。
- 答弁要項
-
◎教育長(徳田耕造君)
市立定時制高校の御質問に順次お答えしてまいります。
まず、新県立病院が産業高校跡地に決まった時期はいつかとのお尋ねでございます。
兵庫県が産業高校跡地を新県立病院の設置場所として示したのは、平成22年10月でございました。
次に、市立尼崎工業高校が城内高校に移転することが決まったのはいつかとのお尋ねでございます。
平成22年4月の尼崎市立高等学校教育審議会で、市立定時制高校の存在意義や役割の確認と学級数、学科構成のあり方についての答申をいただき、さまざまな教育条件のもとで検討してまいりました。設置場所については、平成22年12月にお示しいたしました尼崎市立定時制高等学校の再編について(基本方針案)で、新定時制高校を城内高校の敷地内で開校する旨、お伝えしたところでございます。
次に、市立尼崎工業高校は、県立神崎工業高校との統合でなく城内高校と再編した理由は何かとのお尋ねでございます。
市立尼崎工業高校と県立神崎工業高校との再編については、平成18年度から兵庫県と協議を行ってまいりましたが、兵庫県におきましては、川西市、宝塚市、伊丹市の高校を統合して、阪神昆陽高校を設置することとしたため、尼崎市立高校との統合は不調となったものでございます。
そのため、尼崎市立高等学校教育審議会に市立定時制高校のあり方について諮問いたしました。平成22年4月の答申では学科構成については、基礎・基本の習得を図るだけでなく、将来の就職も視野に入れ、すべての学級を普通科に改編するとともに、その中に商業や工業分野への就職にも結びつけることができるような実学的な科目の選択が可能となるコースや類型なども設置すべきとの意見をちょうだいし、市立尼崎工業高校と城内高等学校の再編についての基本方針の策定を行ってまいりました。
次に、アルナ工機跡地に仮設体育館施設や仮設歩道橋を整備する計画をしたのはいつかとのお尋ねでございます。
兵庫県が産業高校跡地を新県立病院の設置場所として示されたことを受けて、教育委員会といたしましては、尼崎工業高校の在校生対策のため、平成22年10月からアルナ工機跡地の地権者との交渉を始め、翌23年1月にかけて、仮設体育館施設と仮設歩道橋の設置を決定したものでございます。
次に、なぜ正しく予算書の説明がなされていなかったのかとのお尋ねでございます。
平成23年度の予算説明書におけます市立尼崎工業高校の在校生対策事業につきましては、全体事業が見えない、場所や整備内容がわかりづらいとの御指摘をいただき、まことに申しわけないと考えております。御質問の趣旨のように意図的に説明を省略しようとしたものではございません。御理解いただきますようお願いいたします。
次に、城内高校の北門を正門のようにして、教員がたばこのポイ捨てを行っていたが、これから環境を悪くしないことについてどのように対応するのかとのお尋ねでございます。
新定時制高校の再編につきましては、地域の皆様を対象とした説明会などを通して、生徒指導のさらなる徹底、開かれた学校づくり、南門の使用、周辺街灯の整備などの御意見などをいただいております。以前、教員によるたばこのポイ捨てがあったとの御指摘でございますが、現在は周辺清掃を随時行うなど環境美化にも注意を払っているところであり、また登下校時などの生徒指導の徹底を図っているところでございます。そのほかにも、ことしから開かれた学校づくりの一環として、地域の皆様を対象としたパソコンに関する講習会なども実施いたしております。
いずれにいたしましても、地域の皆様に愛される学校にすることが大切でありますので、地域の皆様からいただきましたさまざまな御意見をもとに、学校と教育委員会が一致協力して環境確保に努めてまいります。
次に、人の育成と学習意欲についての一連の御質問でございます。
まず、尼崎の義務教育でも、釜石市のような、命は自分で守る防災教育と実際の避難行動に取り組む考えはないのかとのお尋ねでございます。
災害から命を守ることを基本とする防災教育の重要性はかねてから認識しており、これまでも火災や震災、津波等を想定した訓練を繰り返し行うことで、児童・生徒の災害時における行動の仕方や教職員の避難、誘導等についての実践力を高めてまいりました。
3・11の東日本大震災以降は、それに加え休み時間や掃除時間など、さまざまな場所を想定した避難訓練を実施したり、集団下校訓練で通学路の危険箇所を子供たちに確認させたりするなどの取り組みも進めてまいりました。また、学校によっては、校舎の被害を想定し、津波一時避難場所への避難訓練を実施したところもございます。
さらに、家庭啓発用の尼崎版「命を守れ!あまっ子災害対応リーフレット」をつくり、すべての幼・小・中の園児・児童・生徒に配布したり、オープンスクールでの参観授業等により、家庭や地域の防災意識を高めておるところでございます。これらの取り組みを通して、子供たちみずからが判断して行動する力を培ってまいりました。
今後は、釜石市の防災教育の取り組みも参考に、家庭や地域を巻き込んだ尼崎の防災教育を推進してまいりたいと考えております。
次に、学ぶことを教えるのは学校教育の責務である。全人教育をしているなら小学校の低・中・高の段階、中学校の入学や卒業年次においてどのように教えているのかとのお尋ねでございます。
学ぶことの意味や目的について教えることは重要なことであり、学校においては、教育活動全体を通して取り組んでいるところであります。中でも入学時や卒業時等は節目としてよい機会であり、校長は式辞において全体に対して、担任は個々の生徒に対して、学び続けることの大切さを教えているところでございます。
また、日常的には、道徳においてより高い目標を立て希望と勇気をもってくじけないで努力をすることの大切さを学んだり、社会や特別活動で、働く人の学習や職場体験活動等で将来の目標を持つことやそのための努力の大切さを学んでいるところでございます。
次に、生徒一人一人の適切なアドバイスを行うため、義務教育における先生の生徒に対する把握はどのように行っているのかとのお尋ねでございます。
児童・生徒の個に応じた適切な指導を行うためには、児童・生徒一人一人を把握することは大切なことであると認識しております。そのため学級担任や教科担当による学習場面における学習状況やつまずき等の細やかな把握はもちろんのこと、複数指導や少人数指導における学習状況の記録の共有、あるいは日常の学校生活における児童・生徒の人間関係等の把握と情報共有など、さまざまな場面において、児童・生徒の状況を適切に把握するように努めているところでございます。
さらに教育相談を定期的に実施し、児童・生徒一人一人の内面理解に努め、教職員で情報を共有するように努めているところでございます。
次に、教育委員会では、古来、多くの人たちが人生の目標やいろいろな困難を越えていく意欲が生まれたときの心の動きを教育材料として多数ストックしているのかとのお尋ねでございます。
学校では、身近な先人たちの努力やその人生観を学習することで、児童・生徒がみずからを振り返り、今後の成長に生かすため、多くの教育的な資料を活用しております。
例えば、学校図書館においては偉人伝など、児童・生徒の心を育てる図書教材がたくさん置かれています。また、小学校3・4年生が社会科の授業の中で活用する副読本「わたしたちの尼崎」は、尼崎のために尽力した人々を紹介し、郷土をはぐくんできた思いや活躍の足跡を学習する教育的な資料となっております。
そのほかにも道徳の授業で活用している県が作成した道徳副読本では、多くの先輩自身の体験をもとにした内容を取り上げ、その生き方を学ぶことで児童・生徒が感動し、みずからの生き方について深く考えることができる教育的な資料となっております。
次に、生徒育成と学習意欲における基本的な指導資料を必ず準備することが大切ですが、ストックしているのであれば、どのように活用しているのかとのお尋ねでございます。
教員にとって、学習指導や生徒指導に欠かすことができない基本的な資料が活用できることは望ましいことであります。そのため、各学校の職員図書コーナーや教育総合センター3階に設置されている教育情報コーナーには教科指導や学校経営等を扱う教育書及び各学校の研究紀要、各教科研究会の研究冊子、指導案等の資料を数多く整備し、今日的な課題や教員のニーズに対応し、教員の指導力向上に活用いたしております。今後とも、さらに資料を充実させ、教員がより活用できるように努めてまいります。
次に、学力向上と個人学習カルテについての御質問でございます。
まず、学校現場に対する取り組む姿勢は、教育委員会の内部での思い、意見が違うのかとのお尋ねでございます。学力向上につきましては各学校の重点的に取り組む内容やそのために活用する支援策に違いがありますが、すべての学校は目標を立て教員が一丸となって取り組んでいるところであります。
教育委員会もそれらの取り組みを指導、支援することで、学校と一体となって学力向上を進めているところでございます。これらのことから、学校現場への取り組み姿勢は、教育委員会内部で一致しているものであると考えております。
次に、学力を向上させることについて現場に妨げる意見があるのかとのお尋ねでございます。
各学校では、校内組織である学力向上委員会において、学力や生活の分析を行うとともに学力向上に対する具体的な取り組みを進めているところであります。それらの取り組みは、校長のリーダーシップのもと教職員が一丸となって進めており、学力向上に係る方策や進め方の活発な意見はありますが、それらは目標に向かったものであり、前向きなものと考えております。
次に、各学校の体制が一丸となって取り組むことが義務教育を受ける者の平等性と思うがどうかとのお尋ねでございます。
本市におけるすべての小・中学校では、自校の課題分析や取り組みの重点及び目標を定めた学力向上アクションプランにより、既に教職員が一丸となって学力向上を進めております。その結果として、学力・生活実態調査においても学力や生活において一定の成果が上がっているところであります。
今後とも教育委員会は学力向上クリエイト事業等により、各学校の取り組みを積極的に支援してまいります。これらによって、義務教育の平等性は確保されているものと考えております。
最後に、個人カルテを導入実施する考えはないのかとのお尋ねでございます。
詳細な個人カルテではありませんが、本市においても一人一人の指導過程及び学習状況をシートに記録する等、取り組みを行っている学校もありますが、特に学力における課題やつまずきの多い児童・生徒等については、同室複数指導等の場面でシートを活用することにより情報を共有し、日々の教育活動におけるきめ細かな指導に役立てております。
御指摘の指導要録の電子入力につきましては、今年度より市内全小中学校において実施するものでありますが、その中には担任以外の教員が児童・生徒の様子を記入できる機能が入っており、学習状況の共有にも役立つものと考えられます。したがいまして、今後は、この機能の有効活用について検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎企画財政局長(吹野順次君)
1問目の御質問の中で、収支均衡の目標年次を含めました次期行革計画につきましては、できるだけ早期にお示しをしますというようにお答えしましたけれども、いつ示せるかという再度のお尋ねでございますので、その問いにお答えさせていただきます。
先ほども申し上げましたように、次期行財政改革の計画につきましては、25年度のスタートの計画でございます。したがいまして、今現在、最終的な策定段階に入っておりますので、策定ができましたら速やかに議会のほうにも御説明させていただきまして、特別委員会のほうで御議論いただく予定にしております。
以上でございます。
◎都市整備局長(衣笠年晴君)
市営住宅に関します再度の御質問にお答えをさせていただきます。
まず、将来の管理戸数の目標を定めてから市営住宅の建てかえを行うべきではないかという御質問やと思います。
まず、本市の市営住宅は、御存じのとおり昭和40年代に建設されたものが多く、いわゆる昭和50年以前の旧耐震基準の構造の建物が約150棟、市営住宅全体の55%を占めておりまして、この建物につきまして、何らかの耐震改修事業といいますか、工事の取り組みが必要となっております。
御質問の管理戸数の目標値につきましては、昨年、今後10年間の本市の住宅政策の方針を示しております住宅マスタープランを策定させていただきましたが、そこにおきましては現在の約1万800戸を阪神・淡路大震災以前の約9,000戸を目標に漸減をしていくというふうに計画させていただいております。
なお、市営住宅の建てかえの財源につきましては、一般財源に余裕があるというものではなく、いわゆる今お住まいの家賃の収入、また集約建てかえによります余剰地の売却益等のいわゆる特定財源を主な財源として建てかえていく計画でございます。
以上でございます。