議会活動

平成25年 質問・答弁

質問内容(1)
新政会の波多正文でございます。ちょっと声が聞き取りにくいと思いますけれども、お許しください。  質問も中日になって、同じような質問が出てくると思いますけれども、私の意図がありますので、そのまま質問いたします。  平成25年12月定例会におきまして一般質問の機会を与えていただきましたことをお礼申し上げます。質問に当たりましては、先輩並びに同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間御清聴いただきますようお願い申し上げます。また、市長を初めとする当局の皆さんにおかれましては、私の意のあるところをお酌み取りいただきまして、明確な御答弁をよろしくお願いいたします。  まず最初に財政問題、行財政改革についてお尋ねいたします。  尼崎市では、私が議員に就任して以来ずっと厳しい行財政が続いています。このため、前市長当時から経営再建プログラム、行財政改革推進プラン、そして今年度からは新しい総合基本計画と軌を一にした「未来へつなぐ」プロジェクトと改革・改善が続いています。向こう10年も続けていく計画であります。その趣旨は、最初の再建プログラムが収支不足、続くプランが構造改善を果たしていくものであり、筋の通ったものと理解できるものであります。職員人件費のカットを初め、市民の皆さんに負担を強いる見直しなど、精力的に取り組んでこられました。いろいろ功罪はありましたが、一定の敬意を表さなければなりません。しかし、予期せぬリーマンショックなどがあり、税収の落ち込みや扶助費の大幅な増加によって財政状況はいまだに改善されていません。  その一方で、新たな取り組みや取り残されてきたものも多くあるように思います。つまりマニフェストや公約に上げなかったが、これはやりたかったがお金がないからできないというものです。例えば中学校給食の実現などは、議会からも多くの要望が出ています。私は尼崎市の将来を見据えると、対応していただかなければならない課題が置き去りになっている感すら覚えます。特に老朽化したいろいろな施設の建てかえや学力向上やクーラーの設置などを含む子育て支援策などです。これらの課題に対しては大きな道筋を定め、計画的に対策を講じていかなければならない時期に来ているのではないでしょうか。その辺の思いを率直にお聞かせください。また、あわせて今後どのようにしようとしておられるのでしょうかもお聞かせください。  次に、行財政改革の理念とその理念を実現するための具体的な取り組みについてお尋ねいたします。  プロジェクトでは、中長期的な視点から社会経済情勢の変化にも耐え得る将来にわたって持続可能で弾力性のある行財政構造を構築し、より柔軟に市民ニーズに対応したサービスを提供できる行財政の姿を目指すとあり、そのために現役世代の定住・転入促進につながる取り組みや健康で自立した生活の確保に向けた取り組みなどを行っていくとあります。つまり将来的にも安定した行財政運営を行っていくには、尼崎の魅力を高めることによって現役世代の方々が定住したくなるような市民サービスの充実などを図るとともに、すべての市民が元気で働き続けるように、誰もが自立した生活を送れるような対策を講じることによって都市の体質転換を図り、税収の安定、向上につながるような財源の涵養を図っていくといった内容と理解いたします。  私は、尼崎の財政と課題についての対策と事業内容が適切性に欠け、財政状況の改善が遅々として進まなかったのではないかと考えます。財政の構造上の分析としては、一つ、法人税の割合が多く、景気の変動を受けやすい。一つ、雇用情勢が悪化し、生活困窮に陥りやすい。一つ、個人市民税の少なさ。一つ、高齢化の進行など、上げられると思います。そうしたことから、尼崎は社会経済情勢の変動による影響を受けやすいため、社会情勢の変動による影響を受けにくい都市へと体質を転換する方向性を示し、「ひと咲き まち咲き あまがさき」というキャッチフレーズのもとに、尼崎市の体質を転換しなければならないということを上げて取り組む姿勢につきましては共感いたします。  しかしながら、こうした取り組みを行っていくには、市民サービスを効果的に、継続的に提供していく必要があり、そのために新たな財源の確保も必要となります。これまでは主に都市の体質転換を図るために、具体的にどういった取り組みを今後行っていくのか、そういった議論が中心になされてきましたが、現在も厳しい財政状況にある尼崎市において、さらに市民サービスの充実を図るには、今ある財源をいかに確保するかが最も重要な課題であると私は思います。  そうしたことから、行財政改革の取り組みの柱として、税収の安定、向上につながる取り組みとして、市税の徴収率の向上に向け、悪質滞納者に対する取り組み強化と滞納初期の未納者への取り組みの重点化を図るため、徴収体制の強化を図るとともに、市民の納税意識を高める取り組みを進めていかれるものと思っています。  そこでお尋ねいたします。  今年度はプロジェクト初年度でもあり、その取り組みも途中段階だと思いますが、市税の徴収率向上に向けて今年度はどのような取り組みに力を入れていってきたのでしょうか。その結果、徴収率等にどのような効果が見込まれるのでしょうか。また、今年度実施した内容を踏まえ、新たな課題や見えてきた方向性があると思いますが、そうした内容を踏まえて、現在、来年度に向けて新たな取り組み方策や体制の強化等についても検討していることとは思いますが、特にどういった点を重点化していくのが必要かなども見えてきていると思います。その辺の今後の方向性もあれば、あわせてお聞かせください。  尼崎市の都市の体質を転換するには、今の行政の体質を先に転換しなければ、収支均衡する持続可能な尼崎の将来像は永遠に近づいてこないでしょう。  具体的にお尋ねいたします。  まず、改善をしなければならないのに先延ばししている事業があります。例えば阪神出屋敷駅屋上にある駐車場やリベル空きフロアに対する市の考え方は到底理解できません。最近少し動きつつあるようですが、何の反省も評価もせず、長年放置しっぱなしではなかったでしょうか。昨年の組織改正によって経済環境局に窓口が移りましたが、どのように対応していくのかお答えください。  少し観点は変わりますが、資産統括局は市税部門、公営事業所や財産管理、公共施設の再配置などの市の歳入部門全般を管理するもので、全体を把握する企画財政局から離して設置されました。改めてその意図するところと今までの効果も明確にしてください。それぞれの局が縦割りの主張のみでまちづくりを形成すると、目標とは似ても似つかないまちが将来出現するものと思います。  次に、施策展開を見たとき、その体質について指摘をします。  尼崎市の人口については問題点はたくさんありますが、世代の均衡については全国的に少子高齢化により高齢者と就労年齢の人や次世代を背負う人たちとは逆ピラミッド型になっています。さらに少ない若者が住宅や子育て、さらには治安についての不安から、市外転出者が多く、逆ピラミッドは他市以上に明確になっています。本当に残念であります。若者に重荷をかけず、少しでも高齢者と若者との人口数が縮まるような施策展開上、横の連携、連絡した体制が余り見えないのです。定数減によってモチベーションが下がっているからなのでしょうか。都市の体質転換するなら、まず行政内部の縦割りに執着することを打ち壊し、尼崎市の未来に向けての適切な対策に沿った事業や正しい取り組みを行うべきと思っています。  心がこもっていない事業の執行は時間と予算の無駄遣いになることは確実です。行政職員は未来の尼崎、若者に重い負担を軽減する努力をつぎ込む必要があり、その内容を正しく点検、審査しているのでしょうか。  そこでお尋ねいたします。  予算と事業査定を行うとき、市の将来や現在の課題に対して正しく適切に対応しているのかどうかを吟味し、スクラップ・アンド・ビルドの選別努力をどのような枠組みで行って決定しているのかをお聞かせください。また、なかなか課題把握と解決対策事業ともに適切な状況になっていないのはどのような理由と思われますか。  それでは、順次、適切な取り組みについて質問してまいります。  公共施設の再配置、ファシリティーマネジメントを推進する資産統括局ですが、先ほど言いましたように、市が直接まちの形成をつぶさに示すことのできる重要な部署であります。まちを適正で快適なまちにするため、現在ある不適正をどのようにするか。また、新たに統合するところの場所及び内容を適切にするため何がよいかを正しい決断をしなければなりません。隣同士の中学校、高過ぎる保健所のテナント料、三セクで管理している駅前を再開発した空き店舗の多い商業ビル、全くふさわしくないところに建てられた定時制高校、また二転三転する中央公民館や市民ホールの合築構想の浮き沈みなど、多くは歴代市長時代に始まったツケであり、稲村市長には気の毒な思いもしますが、行政の継続上、対応しなくてはならないと思います。  ところで、先日、他の市の古い町並みを散策しましたが、町並みの適切なところになるほどと感心する趣向や構造、施設が施されていました。町並みは古いですが、まちを形成した人たちの心が伝わってくるすがすがしい気持ちでした。このようにまちづくりはしっかりとした考えを示し、実行することが大切ですし、大切に保存していく土壌づくりも大切です。要はまちづくりは人づくりです。そうした思いを持つ行政の職員を人材として多く育てること、またそうした職員が育ちやすい環境をつくることが重要と思います。  私はそのように思いますが、市長はどのように思いますか。  次に、公営住宅のあり方についてお尋ねいたします。  前回、尼崎の公営住宅が中核類似都市と比較するとほとんど倍近く、尼崎市のほうが多いので、戦後そのままの住宅政策を基本的に踏襲するなら半分ほどに戸数を削減することをお尋ねしますと、答弁は改良住宅や震災復興住宅等によりとのことですが、改良住宅も周辺都市にもあり、震災復興住宅は尼崎市よりも周辺都市が断然多く、尼崎の公営住宅は震災以前からも多くあったのは明確でありますので、その場限りの答弁は時間と予算の不適正と思います。  そこでお尋ねいたします。  尼崎市の公営住宅の実態をどう思っておられるか、改めてお聞かせください。  今現在、公営住宅も旧耐震住宅が多く、老朽化も進んでいる住宅が出てきています。改良住宅や震災復興の住宅も、いつまでもその設置維持が続きませんし、目的達成とも考えられる時代になってきました。将来は戸数減を図っていくと打ち出していますが、明確な感じがいたしません。今後建てかえによる財政負担の増加、維持費や人件費も必要となり、従前もそうですが、今後も当然のことながら家賃だけでは賄えません。  そこでお尋ねいたします。  世代均衡や2世代、3世代も視野に入れたしっかりとした考えを持って対応していく必要があると思いますが、どのように考えておられますか。
答弁要項
◎市長(稲村和美さん) 公約以外の課題についても対策を講じていくべきだが市長の思いは、また今後どうしていくのかとのお尋ねでございます。  市長就任時に掲げていた公約事項以外にもさまざまな課題が生じてきております。財政状況が厳しい中、可能な限り取り組みを進めてまいりましたが、解決しなければならない課題がまだ多く残っていると認識しております。議員が質問で触れられました中学校給食、老朽化したさまざまな施設の建てかえ、学力向上やクーラーの設置など、いずれも本市の課題であるというふうにも認識をしております。  しかしながら、特に多額の支出を要する投資事業につきましては、その必要性や市民ニーズを十分に把握し、今後の財政状況を見据え検討することが必要だと考えております。また、長期的な課題につきましても、本市の現状や将来像を十分に踏まえる必要があります。  いずれにいたしましても、持続可能な行政運営が求められています。そのためには、あまがさき未来へつなぐプロジェクトに基づき、行財政改革や税収の増加につながる取り組みを継続するとともに、今後は既存施策の評価をより強化し、PDCAサイクルを踏まえた事業の再構築につなげることが重要であると考えております。  これらの取り組みを進めながら、限られた財源の中でどのように優先順位をつけて進めるのかを整理し、課題の解決に向け対応していきたいと考えております。

◎副市長(岩田強君)  私のほうからは、資産統括局を設置した意図、効果、そして阪神出屋敷駅屋上駐車場リベルの空きフロアに対する市の対応についてお答えをしたいと思います。  まず、資産統括局につきましては、厳しい財政状況が続く中、安定的な歳入の確保や資産の経営的視点に立った有効活用を図るため、全般にわたる歳入部門とファシリティーマネジメント推進部門の体制整備を図ることを意図して平成24年に設置をしたものでございます。その効果といたしましては、安定的な歳入の確保の面を局の大きな命題の一つに掲げたことによりまして、市の姿勢を内外に積極的にアピールでき、個々の職員につきましても、より一層の意識の高揚が図られていると判断をいたしております。  一方、資産の有効活用の面におきましては、市の保有施設の情報の一元化により全庁的な立場で公共施設マネジメント計画の策定に着手するなど、計画的で横断的な資産管理に取り組んでいるところでございます。  次に、施設整備が完了いたしました再開発ビルの活性化については、これを産業施策の一環と捉え、昨年の組織改正によって都市整備局から経済環境局へ移管いたしました。現在は両局の連携のもと、これまで以上に利用促進の面からの積極的な取り組みを行っているところでございます。  このような中で、現在の状況でございますが、リベルにつきましては、空き床の解消に向けた地元商業者の積極的な取り組みに対しまして支援を行うことといたしておりまして、今年度から再開発ビル再生整備促進事業を立ち上げました。現在、1階フロアへ新たに誘致した店舗の開業に向け、兵庫県の補助事業も活用する中でリニューアル工事が行われているところでございます。加えまして、商業テナントの誘致が難しい3階のフロアには、この10月から就労支援を所管する本市のしごと支援課が移転をいたしまして、しごと塾や無料職業紹介などの雇用分野に係る事業を展開いたしております。  また、既に新聞報道等がございましたように、来年1月には市内企業の本社も移転する予定でございまして、リベルの活性化は着実に進展しているところでございます。  そして、早くからの課題でございます阪神出屋敷駅の屋上の駐車場でございますが、今後のリベルの空き利用の動向を見きわめる中で、地権者でございます阪神電鉄とその活用方策や賃貸借契約の内容について協議をしてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、リベルの空き床対策を初め、御質問ございましたように、第三セクター所有の全体の資産の有効活用、これにつきましては引き続き全庁的な視点で精力的に取り組んでまいりたいと考えております。

◎資産統括局長(塚本英徳君)  まず、市税の徴収率向上に向け、今年度はどのような取り組みに力を入れてきたのか、その結果、徴収率等にどのような効果が見込まれるのかとの御質問でございます。  市税収入率の向上に向けまして、今年度は個人市民税の徴収体制を強化して取り組んでおります。具体的には、新たに正規職員3名の担当係を設置し、個人市民税の滞納額が30万円以上50万円未満の案件に対する滞納処分の強化を図っております。その結果、上半期の時点で、約1,700万円の納付実績があり、個人市民税滞納繰越分の収入率におきましては、前年9月末よりも0.65ポイント上昇しております。引き続き、この取り組みを推進することによりまして、取り組み効果額を反映いたしました平成25年度個人市民税の当初予算におけます収入率88.9%は必ず達成したいと考えております。  次に、来年度に向けての新たな取り組み方策や体制の強化等について、今後の方向性をどう考えているのかとの御質問でございます。  市税収入率の向上は、本市財政運営の最重要課題であると認識しております。そうしたことから、来年度につきましては、平成26年度主要取り組み項目素案でお示ししておりますが、処理に当たりまして困難性が高い高額の滞納案件に対する徴収体制を強化してまいりたいと考えております。  具体的な取り組みといたしましては、全ての税目を合計した1人当たりの滞納税額が50万円以上のケースを担当いたします特別処理担当に正規職員3名を増員し、滞納処分をこれまで以上に強化してまいります。

◎企画財政局長(俵雄次君)  事業と予算の査定を行うとき、スクラップ・アンド・ビルドの選別をどのような枠組みで行っているのか、また課題把握、解決の事業が適切になっていないのはどのような理由かといった御質問でございます。  事業と予算の査定に当たりましては、従来は事務事業評価などで事業の効果を踏まえ、必要性や有効性などを検証し、その見直しを進めてまいりました。また、平成24年度からは事業棚卸しを実施し、市民の皆様からの視点で事業の見直しも進めてきたところでございます。今年度につきましては、総合計画に定める施策の評価について事業ごとではなく、それぞれの施策に属する複数の事業の進捗状況を把握し評価する施策評価の取り組みを試行的に取り組んでまいりました。  そういった中で、平成26年度の主要取り組み項目予算につきましては、施策ごとのばらつきぐあいなど、各施策分野のバランスにも配慮しながら、スクラップである改革改善事業とビルドである新規・拡充事業を取りまとめてまいりました。  御指摘のように、山積するさまざまな課題に対しましては、現在の財政状況のもとで十分に対応することは非常に困難な状況にあります。そういった中ではありますが、先ほども市長から御答弁申し上げましたとおり、個々の課題解決に向けてはPDCAサイクルを踏まえた事業の再構築を行いながら対応してまいりたいと考えております。

◎総務局長(吹野順次君)  まちづくりにしっかりとした考えを持つ職員を多く育てる、またそうした環境をつくることが重要だと思うがどうかというお尋ねでございます。  尼崎をよりよいまちに発展させていくためには、このまちに対する深い愛情を持つ職員を多く育てる、またそのための環境を整えていくことが大変重要でございまして、まさにまちづくりは人づくりであると考えております。  こうした人材を育てていくためには、各職員が尼崎を深く知り、愛着を持ち、またそのよさを発信する力を身につけることが第一歩と考えております。そのため、実際に市内の施設見学や散策を行うなど、尼崎の魅力を体験する研修、また効果的なポスター作成や広報手法の習得など、魅力発信に役立つ研修を実施しております。そのほか、若手職員を対象といたしまして、尼崎市をより深く知るため、今年度は尼崎の歴史を学ぶ研修も予定をいたしております。  こうした取り組みの積み重ねにより、このまちに深い愛情を持って仕事に取り組んでいく、そうした意識を持った人材の育成に今後とも努めてまいりたいと考えております。

◎都市整備局長(芝俊一君)  まず、尼崎市の公営住宅の実態についての御質問にお答えをいたします。  本市はこれまで全国的な住宅不足に対して国の手厚い補助制度のもと、多くの公営住宅を建設してまいりました。また、それに加えまして、本市の特徴として改良住宅などの事業系住宅や震災復興住宅を多数建設してきたことによりまして、市営住宅全体のストック数は1万戸を超えまして、全国の中核市や類似都市と比較しても多くの管理戸数を有する状況となっております。  その結果、市営住宅の維持管理にかかる費用が増大してきておりまして、将来の財政負担の観点から、管理戸数を減らしていくことが必要となっております。  また、市営住宅の建設年度を見ますと、昭和40年代に建設された市営住宅が非常に多く、耐震化、老朽化、バリアフリー化などの対応も求められているところでございます。  次に、世代均衡や2世代、3世代も視野に入れたしっかりした考えを持って対応していく必要があると思うがどうかというお尋ねでございます。  先ほども御答弁申し上げましたとおり、耐震化、老朽化、バリアフリー化の課題に対応するため、住宅マスタープランでは、耐震性に課題のある中層ラーメン構造の住宅の建てかえを進めていくことといたしております。また、実際の建てかえに当たりましては、毎年度の空き家募集戸数を一定確保する中で、現建てかえ住宅の入居者への対応を考慮しながら、将来世代の財政負担の軽減を図ることが必要でございます。そのため、今後約20年をかけて計画的に建てかえを進め、従前の戸数よりも建てかえ戸数を減らしていくことにより、目標管理戸数を震災前の水準である約9,000戸に削減していく考えでございます。  
質問要項(2)
 御答弁ありがとうございました。  市長におかれましては、優先順位を大切にするということですので、優先順位を間違わないようにお願いします。また、副市長は、将来を見通してということですので、尼崎の負担、若い人たちが負担しないように、将来を見越した尼崎のまちづくりをよろしくお願いいたします。  それでは、第2問目に入ります。  都市の体質転換には若者が尼崎に愛着を持ち、自分たちがさらに魅力あるまちにしていこうという志を養うことのできる状況まで引き寄せる努力をしなければなりません。それには住宅以外にも就労する場所、できれば生き甲斐のある場所になればいいのですが、また青少年を育成する環境力と育成力の充実が課題であります。  以前も、産業の振興にものづくりの支援と施策の充実が生活を豊かにし、若者への就労対策と定住促進になるため、東大阪市が取り組んでいる力強い支援に事業を方向づけるべきとお尋ねいたしましたところ、本市におきましても、東大阪市と同様の考えに基づき、相談事業を実施し、年間3,000件を超える技術支援を行っていますとの答弁がありました。尼崎におきましても相談窓口があり、支援していることは知っていますが、東大阪市と同様の考えと答弁されましたが、相談窓口があってもその内容と取り組みの差は歴然としております。  東大阪市ではものづくり支援相談窓口の人たちの紹介として、顔写真とともに一人一人の専門分野を具体的に明示し、必要な場合は大学、公設の研究所、その他の支援機関を御紹介しますと、相談に来る人のニーズに沿うようにして対応する姿勢があり、産業の振興に力を尽くしたいという意思が伝わってきます。尼崎行政は、同じような窓口があるからといって安心せず、その内容や意識をも超えて、尼崎の産業振興に貢献しようと努力していただきたいと思います。  そこでお尋ねいたします。  簡単に東大阪市と同様の事業を行っていますというのではなく、東大阪市の取り組みを超える支援内容を目指す意気込みを持って結果を引き寄せる事業を行っていただきたいのですが、どうお考えでしょうかお聞かせください。  平成25年4月1日より、東大阪市では東大阪市中小企業振興条例が施行されました。その制定理由は、小規模事業者を中心とする本市の中小企業は、地域経済を支える本市の重要な存立基盤であるとともに産業を活性化させ、市民雇用やまちのにぎわいを創出する源です。中小企業の振興を市政の重要な柱として位置づけるとともに、地域経済を活性化させ、市民生活の向上のため本条例を制定しますといった内容が明記されております。ここには明らかに産業施策の一つとして、毎年変わらなく常住としたものづくり支援等という事業ではなく、市の将来を形成し、現在のさらなる活性化を全体で目指すよう条例という形で理念化し、間断なく責任を持って日々努力することを市民に約束しています。  そこでお尋ねいたします。  尼崎市は阪神間、日本でも有数のものづくりのまちでありました。公害や社会状況の変化により産業構造の転換が進められ、多くの企業、事業所が転出した結果、尼崎市の産業の衰退とともに行政の情熱も衰退してしまったのではないかと思われます。改めてものづくり支援の充実を図ることにより、産業の振興に向けた情熱のほどをお聞きいたしますとともに、東大阪を超える日々の努力が見える取り組みについてもあわせてお聞きいたします。  次に、事業所の技術向上は事業所存続の糧であり、容易でないことが多いのであります。行政ではありませんが、京都では京都試作ネットがあり、試作に特化した問題解決を図るための運営として組織が立ち上げられ、顧客のニーズを事業所や大学、研究機関の多彩で高度な技術を結びつけ、要求に応えていくことが行われています。また、先日、東京の下町工場のプロジェクトで、海底探査機「江戸っ子1号」が深海の鮮明な映像を世界最初に可能にしたとのニュースが入ってきました。これは東大阪市の人工衛星「まいど1号」に刺激され、大阪が空なら東京は深海だという意気込みで、4つの事業所の協力で可能になった製品であります。  そこでお尋ねいたします。  尼崎市も産業振興条例の制定に向けて動いておられますが、心ある事業所の育成支援を行い、ものづくりのまち尼崎を世界に発信できるよう継続して努力し、支援することが市の理念となる条例になるでしょうか、お聞きいたします。  最後に、教育問題についてお聞きいたします。  産業日本において、徐々にものづくり日本を再生する力が東大阪市だけでなく、あちらこちら力強い息吹きが生まれてきています。一方、日本の学力はゆとり教育が推奨されてきましたが、世界の子供たちの中で日本の学力が低下してきたことから急遽方向転換し、授業時間数や学習課程の増が進められてきました。なぜ多くのことを学ばなければならないかを、学校教育はまずこのことを義務教育の初めに児童・生徒に示さなければなりません。  そこでお尋ねいたします。  尼崎市の教育関係者として、なぜ今、児童・生徒は多くのことを学ばなければならないかを明確な理由をお示しください。  次に、教育現場では児童・生徒に対してどのように示しているでしょうか。理念でなく、具体的に小学校、中学校、高等学校、それぞれどのように徹底しているかをお聞かせください。それがあったかどうか、児童・生徒にまた確認いたします。  なぜなら学習する理由が腑に落ちなければ、学習意欲も半減するどころか、努力をしなくなる児童・生徒も多くなるのであると思います。今、アメリカでは、学校の門を出たら家庭の責任、門を入ったら学校の責任と明確になっています。学問に対するしつけも、学校の大切な仕事と思いますので、どう考えられておるかをお聞かせください。  学校教育力は、若い人たちはもちろん、住民の大切なまちに定住しようとする必須の条件になります。そして、教育力は現場の先生に大きく影響されます。そして、その先生方を統括しているのが教育委員会であり、今、国会では6・3・3制から教育委員会のあり方まで根本的に見直そうという話も出てきています。児童・生徒は今、何をしているのかが問題であります。尼崎の児童・生徒の学力向上を目指して取り組みが行われていますが、尼崎全体、学校全体の一丸となった意欲がまだ感じられないのは私だけではないと思います。  そこでお尋ねいたします。  尼崎が今行っています学力・生活実態調査を踏まえて、学校独自でその調査結果から教育方法を充実させ、学力が目立って向上した学校がありました。その校長先生は、学校が一丸となって児童・生徒が学力を向上させるのは職員の使命であるとして、そして取り組みと内容を訴え続け、学校一丸となったことをお話ししてくださいました。限られた校長先生は立派ですが、その成果は一部の学校にとどまり、全校に広がるには教育委員会が調査、分析を行い、その調査結果から全学校の支援を行うのが近道だと思います。そうした一部の学校の取り組みを全校に広げていくようなお考えはないでしょうか。お考えをお聞かせください。  次に、学力・生活実態調査結果の活用についてお尋ねいたします。  平成19年に政令指定都市となった新潟市は、新潟市教育ビジョンを策定し、目指す子供の姿を学ぶ目的意識と自分の将来への夢や希望を持ち、基礎・基本とともに思考力、判断力、表現力等を身につけた子供として具現化するために、教師一人一人の授業力の向上が児童・生徒の学力向上に直結するとの考え方から、全国学力・生活実態調査の結果がB問題の平均正答率が低下していることを踏まえ、思考力、判断力、表現力を向上させることが学力向上の喫緊の課題とし、そしてその向上策として新潟市検証改善委員会で、一つ、新潟市全国学力学習状況調査結果報告書、二つ、学習指導案集「活用を位置づけた授業づくり」として、具体的な形を提案し、その内容は国語12編、算数・数学それぞれ12編を収録し、知識技能を習得する段階の時間、習得した知識・技能を活用する段階に焦点化して作成していました。この指導案に沿って1、指導主事によるパイロット授業を実施、このほかに2、授業改善フォーラムにおける講演会の開催、3、各学校の研究主任等による公開授業への支援、そして毎年全学校・園の研究主任等を集め、授業改善フォーラムを開催し、具体的な授業づくりを考えております。  参加者からは、報告書、指導案だけでなく、指導主事によるパイロット授業によって具体的な授業改善のあり方がわかったということです。  そこでお尋ねいたします。  政令都市と中核都市では、教育行政について大きな相違がありますが、子供たちに対する思い、学ぶ目的、意欲、意識と自分の将来への夢や希望を持ち、基礎・基本とともに思考力、判断力、表現力を身につけた子供という明確な教育理念を示し具体化していくことは、教育行政の責務と考えます。  しかしながら、尼崎の教育理念は私には明確には見えてきません。市長、そして教育委員長並びに教育長は、尼崎市の教育理念と比較して、新潟市の教育理念をどのように感じておられますか、お聞かせください。  次に、小学校高学年において、教科・科目担当制が導入され、学力向上対策の柱の一つとして位置づけているところがあります。利点は、一つ、教員は得意、不得意に関係なく全教科を教えなければならない教員の負担を減らし、中学進学で教科担当制に変わる際の学習環境の変化から、生徒が不登校や学力低下に陥る中1ギャップを解消できる。2、担当する科目を絞ることで、授業の準備時間を確保でき、教育の質向上につながり、また多くの教員が児童の指導にかかわり、多角的な評価ができる。しかし、一方では、小規模校では教員が少なく、実施が困難な場合もあります。中には具体的な導入方法は各学校に任せ、小規模校では一部の科目や学年に対象を絞ることができるようにしているところもあります。  そこでお尋ねいたします。  学校の規模によっては導入が難しいところもありますが、小学校高学年においては学力向上と中学校との連携対策に大きな力になる方法であると取り組む自治体もふえてきています。尼崎においても、小学校高学年の学力向上と中学校との連携においても大切な力となることと確信いたしますので、尼崎の小学校高学年での教科担当制を導入してはどうでしょうか。  最後に、学習個人カルテについてお尋ねいたします。  以前、福岡県芦屋町の教育長は、「児童が就学後、社会に出て途方に暮れていたら、それは教育者の責任であり、安穏と寝ていられません」と言われました。  そこでお尋ねいたします。  このことを聞いて、教育長は率直にどのように感じられましたか。お考えをお聞かせください。  私は、児童・生徒一人一人の学力個人カルテをつくり、生徒一人一人の現状を把握して学力向上プランの推進を行っている取り組みを尼崎市でも生徒の学力を向上、充実させる施策として行ってくださいと言い続けています。なぜなら日々の学力定着度を見える形として、本人の日々の指導はもちろん、ひいては次の学年や中学校への連携においても欠くことのできない教育指導の糧となるものであります。  学力個人カルテもなく、児童・生徒の指導を行うのは、畑を耕すくわを忘れたようなものであります。適切な弱点を知らずして教育していることが真の学力向上の教育指導ができるでしょうか。子供たちの学力向上、そして責任ある基礎・基本、そして応用、最後は発表という学力定着ができるのでしょうか。以前、個人学力カルテは尼崎ではできないでしょうかと教育の職員に聞いたことがありますが、不可能ではありませんと言われていました。  そこでお尋ねいたします。  尼崎教育委員会は、学校に全生徒の学力個人カルテを作成し、学力向上、中学校連携に積極的に取り組む教育支援を始めてください。できないのであればできない理由をお聞かせください。「類似している施策を行っています」では答弁になっていませんので、正面からの御答弁をお願いいたします。  子供たちが就学後に十分に力をつけて、社会で路頭に迷わないように、若者が尼崎から転出しないよう、尼崎に定着したいと思うまちづくりになるようお聞かせください。  これで、私の全質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
答弁要項
◎市長(稲村和美さん)  尼崎市の教育理念と比較して、新潟市の教育理念をどのように感じているかとのお尋ねにお答えいたします。  本市におきましては、尼崎市総合計画に教育の充実で子供の生きる力を育むまちを掲げ、学校教育の充実、教育環境の整備、家庭、地域、学校の連携の推進等を目指しております。教育委員会もその具現化に向け、毎年、学校教育に関する重点取り組みを定めており、学校と一体となって市民の期待と信頼に応えるべく取り組んでいると認識しております。  一方、新潟市が策定された新潟市教育ビジョンを拝見しますと、例えば学校教育の方向として、目指すべき子供の姿に加え、教師が備えるべき力や地域、保護者、学校がともに学校教育を考える参画型のシステムづくりなどを盛り込まれているのが印象に残ったところでございます。

◎経済環境局長(森山敏夫君)  波多議員の産業振興に係る御質問にお答えいたします。  まず、東大阪市を超える意気込みを持って結果を引き寄せる事業を行ってほしいがどうかとの御質問でございます。  昨今の厳しい経済状況の変化に対応するためには、市内企業が常に技術開発を継続させ、底力を蓄えていくとともに、新分野へチャレンジしていくことが重要と考えております。具体的な取り組みといたしましては、中小企業新技術・新製品創出支援事業による研究開発への助成やものづくり支援センターでの技術相談、先端機器を活用した技術試験など、開発から製品化までの一貫した支援策を実施しております。また、尼崎版グリーンニューディールを推進し、ことしの3月には環境モデル都市の選定を受ける中で、成長産業である環境関連分野に重点を置いたエコサポートファイナンスといった融資制度の充実を図っております。このような支援により、次世代半導体や産業ロボットの開発を進め、製品化に至った企業も多数あり、またより高度な国・県の支援制度へチャレンジする企業もあらわれておりますことから、結果を引き寄せる事業として引き続き取り組んでまいりたいと考えております。  次に、ものづくり支援の充実を図ることによる産業振興に向けた情熱のほどと、東大阪市を超える日々の努力が見える取り組みについての御質問でございます。  本市は、先ほど答弁いたしましたものづくり相談や技術開発費用の助成のほか、ベンチャー企業の育成、企業のエネルギーコスト削減への支援など、産業振興に向けたさまざまな支援策を実施しております。これらの支援策につきましては、企業や産業団体と意見交換を行い、そこで把握したニーズを反映させることでより有効な施策となるよう取り組んでおります。来年度におきましても、東京やびわ湖環境メッセなど、全国規模の製品展示会への出展の支援を予定しておりますが、これは開発した製品をPRする場が欲しいとの企業ニーズを受け、既存事業を拡充し実施しようとするものであります。今後とも、市場や企業のニーズを把握した最適な支援策を実施することで、ものづくり支援の充実を図ってまいります。  最後に、ものづくりのまち尼崎を世界に発信できるよう継続して努力し、支援することが理念となる条例となるのかとの御質問でございます。  本市経済の活性化には、起業の促進や雇用就労の維持・創出に加え、産業の振興が重要な役割を果たしているものと認識しております。こうしたことから、今後検討してまいります(仮称)産業振興基本条例では、地域が一体となり産業の振興等に取り組むことを明らかにしてまいりたいと考えております。また、本市産業の中心的な役割を果たしているものづくり産業に加え、商業やサービス業などの産業についても目指すべき方向性を取りまとめたいとも考えております。現在、このような考え方で(仮称)産業振興基本条例の制定について本市産業の現状などの整理を行っており、産業問題審議会に諮問する準備を進めているところでございます。

◎教育委員会委員長(濱田英世さん)  尼崎市の教育理念と比較して、新潟市の教育理念をどのように感じているのかとのお尋ねにお答えいたします。  新潟市を初め各都道府県、市町村におかれましては、それぞれの教育理念に基づいてさまざまな取り組みを進めておられると認識しております。本市教育委員会におきましては、尼崎市の教育の基本方針として、人間尊重の精神に徹し、明るい社会をつくり出す心豊かなたくましい人間の育成を目指すと定めるとともに、5つの努力目標--ひとりひとりを大切にする、自ら学び続ける力を伸ばす、自立しともに生きる自覚を高める、健やかな体を育てる、豊かな心を養う--を設定し、教育委員会、学校、地域が連携して、尼崎市の未来を担う子供たちを育ててまいることといたしております。  新潟市の教育理念をどのように感じているかのお尋ねでございますが、本市の教育の基本方針や努力目標と同様に、明確な目標を明らかにしたものと考えております。

◎教育長(徳田耕造君)   教育問題に関する一連の御質問にお答えいたします。  まず、なぜ今の児童・生徒は多くのことを学ばなければならないのか、明確な理由をお示しくださいということでございます。  教育は人々の多様な個性、能力を開花させ、人生を豊かにするとともに、社会全体の今後の一層の発展を実現する基盤であります。一方、社会が大きく変化する中、これまで以上に幅広い知識と柔軟な思考力に基づく判断力や異なる文化に立脚する人々との共存など、変化に対応する能力が求められております。そのためには、学習内容の確実な習得を図るための繰り返し学習など、基礎的、基本的な知識、技能の習得に加えて、観察、実験、レポート作成など、それを活用した思考力、判断力、表現力を育んでいくことが必要とされております。そのため、学習指導要領が改訂され、授業時間数や学習内容が拡充されてきたところでございます。  次に、教育現場では児童・生徒に対してどのように示しているのか、具体的に小、中、高、それぞれでどのように徹底しているのかとのお尋ねでございます。  全ての学習活動は学習指導要領に基づき展開されておりますが、それに加えて、学ぶことの意味や目的について教えることは重要なことであり、学校においては教育活動全体を通して児童・生徒に示しているところであります。また、そのために全ての教科において、日々の授業の中でわかることのおもしろさや粘り強く考えることの大切さを小、中、高のそれぞれの成長発達段階に応じて指導しているところでございます。  次に、学問に対するしつけも学校の大切な仕事と思うがどうかとのお尋ねでございます。  学習に向かう姿勢や学び続ける意欲を育むことは重要なことであり、学校での教育活動全体を通して取り組んでいくべきものと認識しております。各学校におきましては、調べ学習などを取り入れた授業や自主学習に取り組むなど、みずから学ぶ姿勢や学習に向かう力の育成を行っております。また、家庭学習においても宿題を計画的に行うなど、学習習慣が定着するよう指導を行っているところでございます。  次に、一丸となって学力向上に取り組み、成果を上げた学校の取り組みを全校に広げていくような考えはないのかとのお尋ねでございます。  御指摘のように、教員がみずからの使命を自覚し、学校が一丸となり、学力向上に取り組んでいくことは非常に重要なことと考えております。各学校におきましては、それぞれの課題を克服するため、独自の学力向上策をアクションプランとして定め、学校全体として組織的に取り組んでおります。  教育委員会では、これまで実施してきた学力・生活実態調査の報告会において、学力向上に特に効果的な取り組みを行った小学校、中学校、それぞれ2校の具体的な実践例を明らかにすることにより、他の小・中学校にも広げてきたところでございます。今後も引き続きさまざまな機会を通して学力向上に対するすぐれた学校の取り組みを広げてまいります。  次に、尼崎市の教育理念と比較して、新潟市の教育理念をどのように感じているのかとのお尋ねでございます。  先ほど教育委員長の答弁にもありましたが、新潟市におかれましては、明確な目標を明らかにして学力向上に取り組んでおられます。具体的には、学力調査の結果に基づく検証、改善サイクルの確立に向けた実践研究を実施され、その後も継続して学力向上策を進めておられると認識しております。  尼崎市におきましても、教育の基本方針と努力目標に加えて、教育委員会が毎年学校教育に関する重点取り組みを定めております。平成25年度は確かな学力の定着、豊かな心の育成、健やかな体づくりの3つの観点を取り組みの方向性として、その具現化を図っているところでございます。その一つといたしまして、本市におきましても、尼崎市学力向上推進委員会を設けて、本市の学力向上について検討しているほか、PDCAサイクルのもと、学力向上クリエイト事業等を活用した取り組みも進めているところでございます。  次に、尼崎市においても、小学校高学年の学力向上、中学校との連携において大切な力となる小学校高学年での教科担任制を導入してはどうかとのお尋ねでございます。  学力の向上や小学校から中学校への円滑な接続を図るため、5・6年生で学級担任制のよさを生かしつつ、教科担任制と少人数授業を組み合わせて、複数の教員が指導する兵庫型教科担任制が平成21年度から県下小学校で導入されました。本市におきましても、平成21年度からその制度を取り入れ、平成24年度には全小学校で実施しております。教育委員会といたしましては、今後とも兵庫型教科担任制を生かした組織的な教育活動の実施や小中連携の推進に向けて取り組んでまいります。  次に、福岡県芦屋町の教育長が、「児童が就学後、社会に出て途方に暮れていたら、それは教育者の責任であり、安穏と寝ていられない」と言われたことについてどのような感想を持たれたのかとのお尋ねでございます。  福岡県芦屋町の教育長の言葉は、教育に携わる者の意気ごみとして共感できるところでございます。子供たちが夢や希望を抱き、みずからの時代を切り開いていくためには、教育に携わる者はもちろんのこと、保護者や地域の人々の理解と協力を得ながら、より豊かな教育環境の中で子供たちを育む必要があると考えております。  最後に、全生徒の学力個人カルテを作成し、学力向上、中学校連携に積極的に取り組む教育支援を始めてはどうかとのお尋ねでございます。  本市では、平成24年度から2年間かけて、校務支援システムを導入し、全小・中学校において指導要録や成績データ、通知表等の電子化を実施しております。このシステムを利用することで、成績や評価、出席、生活の記録、さらに校内で実施したテストをグラフつきの資料で管理できるなど、教員間で共有することが可能となっております。このことから、この電子化された児童・生徒の情報データは学力個人カルテとして活用が可能な内容となっております。今後、この機能の有効な活用を進めることにより、児童・生徒の学力向上につなげていきたいと考えております。
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